トリコモナスと子宮頸がんの関係
特に男性には自覚症状が無い人が多いため、感染したと意識しないままに性交渉によってパートナーな感染させたりすることも多々あります。
女性の場合は、膣炎症状が発症するケースが多いのですが、症状が出現しない不顕性感染のケースもあり、何年も気づかない状態でいて、子宮がん検診などでトリコモナス原虫が見つかるということも多々あります。
トリコモナス症は、トリコモナス原虫という微生物による性感染症(STD)で、男性より女性の方に症状がひどく出現するケースが多い病気です。
特に女性の膣に寄生してトリコモナス膣炎として、デリケートゾーンの痒みから始まって、オリモノが増えてきます。
オリモノは、黄色っぽい緑色がかったような泡状態のオリモノで、悪化すると大量に分泌され下着が汚れて、一日に何度も取り換えたりしなければならないくらいになることもあります。
オリモノの匂いが酷いのも特徴で、生臭いような、魚が腐ったような悪臭と言われています。
トリコモナス原虫が膣内で繁殖し、病状が進行すると痒みから痛みとなり、性交時に激しい痛みを覚えたり、尿道に感染して排尿痛を生じるケースも多々あります。
早期に専門医を受診して、キチンと治療すれば治る性感染症ですが、放置してしまうと膣から身体の奥へ感染が拡大し、子宮経口にまで炎症がいたるケースもあります。
トリコモナス症を発症していると、膣の自浄作用がバリアとして機能しなくなり、他のウィルスや細菌などの感染も併発してしまうことも多々あり、合併症として悪化させることも少なくありません。
常在菌であるカンジダ菌が繁殖しやすくなり、カンジダ膣炎を併発していることは、かなり頻繁にあるとされています。
クラミジア感染症や淋菌感染症などの性感染症と同様に、トリコモナスに感染しているとHIV感染リスクも増加させるとされています。
トリコモナス感染によって、膣内や子宮・卵管などの婦人科機能の状態が悪くなりますので、卵管炎などの骨盤内感染症から、卵管が狭くなったり閉塞してしまい、不妊症の原因となるともされています。
不妊症の女性の検査を行った場合、トリコモナスに感染していたケースも少なからずありますし、子宮頸がんの患者にはトリコモナス感染が多いという報告データもあるのです。
子宮頸がんの原因とまでは言わなくても、子宮頚がんを発症させる要素のひとつ、遠因となっている可能性は否めません。
トリコモナス原虫が膣から膣深部、子宮口へ炎症を起こしてしまうことは、女性の身体にとって悪影響しかないと言ってよいでしょう。
トリコモナス症の進行によって、子宮頚部に点々とした状態の出血斑が見られることもあり、子宮頚がんに進行する可能性があるともされています。
子宮頸管から卵管、卵巣へとトリコモナス感染が進行し、炎症を起こしてしまうと、卵管の変形や癒着などにより、卵管が瀬間なったり閉塞して、不妊症の原因になるとも言われているのです。
不妊症だけでなく、子宮外妊娠や流産、前期破水、慢性骨盤痛などを、引き起こしたりすることもあります。
尿道感染によって、尿道炎から膀胱炎、バルトリン腺炎に至ることも少なくありません。