トリコモナス膣炎の検査方法
トリコモナス膣炎は、トリコモナス原虫という肉眼では見えない原生生物の感染によってよって引き起こされる病気です。
性行為で感染することがほとんどです。
トリコモナスに感染しても男性は自覚症状がないことが多いのですが、女性は多くの場合臭いのきついおりものが増え、外陰部に痒みや痛みが出ます。このような症状が出たら検査が必要です。
男性は症状がなくても、女性が検査をして陽性だったら検査をする必要があります。
検査は、女性は婦人科、男性は泌尿器科で行ないます。
感染が疑われる性行為から3日後くらいから検査が可能です。
トリコモナスの検査方法は、検体を採って顕微鏡で原虫の存在を確認します。
原虫は肉眼では見えませんが、細菌類よりはずっと大きいのでふつうの顕微鏡で見ることができます。
女性は綿棒で膣の壁をぐるっと擦るようにして分泌物を取ります。男性は出始めの尿を採って検査します。検査の結果はその場でわかります。
原虫の数が少ないと検査しても見つけられないことがあります。
原虫は確認できないが疑わしい症状がある場合は、検体を4〜5日培養してから再び顕微鏡で確認します。これが培養検査です。
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もう1つ、最近開発された検査方法が、遺伝子検査(核酸増幅法)です。
顕微鏡検査ではトリコモナス原虫が死んでいると確認できませんが、遺伝子検査では原虫が死んでも残されたDNAを検出できるので、より精度の高い検査ができます。
検体の採り方は顕微鏡検査と同じです。
男性は感染しても検査で原虫を確認することが難しいのですが、遺伝子検査なら見逃すことが少なくなります。
トリコモナスの検査は病院だけでなく、検査キットを購入して自分で検体を採取し、それを郵送して調べてもらうこともできます。
インターネットで「トリコモナス 検査キット」のキーワードで検索すると購入方法が分ります。
検査キットでは、遺伝子検査が一般的です。検査の結果はメールなどで通知されます。検査費用は3,500円程度です。
病院での検査費用は、健康保険がきかない場合は10,000円程度かかりますが、少しでも症状がある場合は健康保険が適用されて3,000円前後で済みます。
健康保険が適用されるかどうかは、問診での答え方や医師の考え方で変わってきます。
検査で陽性になったらもちろん治療が必要です。治療には内服薬や膣に挿入する膣剤が使われます。
お薬の成分はメトロニダゾールまたはチニダゾールという抗原虫剤です。原虫のDNAの複製を阻害して殺虫します。胃のピロリ菌の駆除にも使われるお薬です。
トリコモナス膣炎の治療期間は1週間〜10日です。再検査して原虫がいなければ治療は終了します。
ただし、男女のどちらか一方が治療してもパートナーが治療しないと、ピンポン感染で再感染することになります。
また、トリコモナス原虫は人間の体を離れても湿った環境ではしばらく生きているので、使い回しで湿ったタオル、公衆浴場の洗いイス、公衆トイレの便座などから感染することがあります。
非常にまれなケースですが、幼い子供が感染した例もあります。
性行為に心当たりがなくても、疑わしい症状がある場合は検査が必要です。