メトロニダゾール
メトロニダゾールはトリコモナス膣炎の治療では第一選択になる特効薬です。
膣剤と内服薬があり、どちらも7〜10日間使用します。男性のトリコモナス尿道炎にも使用されます。
メトロニダゾールは国内ではフラジール(塩野義製薬)という商品名で販売されています。
ジェネリック医薬品にはアスゾール(富士製薬)があります。個人輸入では海外の低価格なジェネリックも購入できます。
トリコモナス膣炎の病原体はトリコモナス原虫という肉眼では見えない原生生物です。
性行為で感染するほか、女性はまれに公衆トイレの便座、公衆浴場の洗いイス、タオルの共用などでも感染するケースがあります。メトロニダゾールは、トリコモナス原虫のDNAの合成を阻害することで殺菌します。
トリコモナス膣炎の症状は、はじめは外陰部にかゆみや痛みがでますが、特徴的なのは強い悪臭があるおりものが増えることです。
おりものは泡立った黄緑色をしています。人によってかゆみや痛みはガマンできないほどではないこともありますが、このようなおりものがあった場合は、トリコモナスに感染していることが強く疑われます。
メトロニダゾールの服用方法は、1日2回、1回に400mgを10日間服用します。
4〜5日で症状は軽くなりますが、決められた日数服用することが大切です。
メトロニダゾールの服用には塩野義製薬が製造するフラジール添付文書をお読みください。
お薬の使用については、自己判断に頼らず、必ず医師の指示に従って適量を正しく服用してください。
女性は次の月経が終わった後に再検査して、トリコモナス原虫が消滅していることが確認できれば治療は終了です。
当然ですが、メトロニダゾールなど治療薬を服用している間は性行為は控えなければいけません。
できれば再検査までは控えることが望まれますが、性行為をする場合はコンドームの着用が必須です。
メトロニダゾールの服用中は、お酒を飲むと頭痛や吐き気などの悪酔いの症状が出るので飲酒は禁止されています。
抗血栓薬、抗がん剤、免疫抑制剤を使用している場合は、メトロニダゾールで相互作用が出ることがあるので、医師に相談してください。
妊娠している場合は、メトロニダゾールの服用は医師に相談してください。
妊娠初期では内服薬ではなく膣剤で治療します。中期以降は一般的には内服薬の使用が可能です。
メトロニダゾールの副作用としては、吐き気や胃の不快感、食欲不振があります。
まれに大腸炎を起こすことがあるので、激しい下痢の症状がある場合はすぐに病院を受診してください。
トリコモナス膣炎はしばらくガマンするといったん症状が消えることがありますが、放置すると不妊症になることがあります。
少しでも疑わしい症状があれば検査が必要です。
病院で検査を受ける以外に、検査キットを購入して自分で検体を取り、それを郵送して検査する方法もあります。
メトロニダゾールは、トリコモナス膣炎の他にピロリ菌の苦情にも使用されます。
ピロリ菌を駆除するときは、メトロニダゾールと胃酸を抑える薬、抗生物質(アモキシシリン)の3剤を同時に服用します。
その他にメトロニダゾールは嫌気性菌に対して殺菌効果があり、歯周病、ボツリヌス症の治療にも使われます。やはり原生生物が病原体のアメーバ赤痢にも有効です。
メトロニダゾールの入手方法
メトロニダゾールはチニダゾール同様に処方箋薬に分類される薬剤です。よって、基本的な入手方法は医師の処方になります。
通常は、トリコモナスの症状が出て医師の診断をうけ、医師がその疾患と判断した場合にメトロニダゾールの処方箋を出し、処方箋薬局で完治に必要な量のお薬を購入します。
ただし、メトロニダゾールも個人輸入代行ストアから通販で購入が可能な薬剤の一つです。
先発薬では「フラジール」という医薬品が有名で、病院でも第1選択として処方されます。
フラジールにも同じ成分メトロニダゾールを配合したジェネリック医薬品があり、「メトロジール(メトロニダゾール)」が有名な後発薬です。
いずれの薬剤も個人輸入ストアから処方箋無しで購入が可能です。
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フラジールについて
トリコモナス治療薬の「フラジール(メトロニダゾール)」は、アメリカのアボット・ラボラトリーズ社が開発販売している抗原虫薬剤です。
日本では厚生労働省の認可を受け、医療機関でのトリコモナス症の治療に第一選択として処方されることの多い薬剤です。
トリコモナス原虫に対して殺虫的な作用をするメトロニダゾールを有効成分としている抗原虫薬剤で、市販はされておらず、医師の処方が必要な薬剤となっています。
トリコモナス症の治療薬のもう一つは「チニダゾール」配合のお薬で、ハイシジンが有名です。チニダゾール配合のジェネリック薬も幾つかあり、チニバやファシジンも有名なお薬です。
トリコモナス症(トリコモナス膣炎)は、トリコモナス原虫に感染して発症する性感染症(STD)で、膣や尿道、前立腺に原虫(ミドリムシやゾウリムシのような微生物)が寄生することによって不快な症状が出現します。
原因であるトリコモナス原虫が体内から死滅させ除去するための抗原虫薬剤、抗トリコモナス剤で経口内服薬だけでなく、外用薬もあります。
経口内服薬は全身的に作用するため、尿路感染や膀胱、前立腺も含めた治療に有効とされています。
局所的に作用させる薬剤として膣錠などの外用薬もあり、内服薬と併用することが有効と言われています。
「フラジール」の有効成分であるメトロニダゾールは、吸収がよく内服薬として使用した場合、ほとんどが腸で吸収され、経口服用であっても静脈注射とほぼ同様の効果が期待できます。
原虫や細菌を駆除する効果があるため、トリコモナス症以外の嫌気性菌などを原因とする細菌性の腟症にも有効とされています。
男性同性愛者に感染の多い赤痢アメーバ症の治療薬としても使用されていたりします。
トリコモナスだけでなく、一般的な抗生物質が効きにくいタイプの嫌気性菌による細菌感染症、ディフィシル菌による感染性腸炎、ヘリコバクター・ピロリ菌(胃炎や胃潰瘍の原因菌)の除去に別の抗生物質のアモキシシリンと胃酸分泌抑制薬のPPI(プロトンポンプインヒビター)と併用投与されることもあります。
抗原虫薬剤なので、赤痢アメーバー、ランブル鞭毛虫(ジアルジア)、毛包虫(ニキビダニ)などにも有効に作用し、治療薬として応用されることもあります。
副作用は少ないタイプの薬剤ですが、食欲不振、胃の不快感、吐き気などをもよおすことがありますので、血便がみられたり、下痢や腹痛が続く場合は、継続服用の可否について医師に相談してください。
脳や脊髄に器質的な病気を持っている人は禁忌とされていますし、脳腫瘍や血管の病気、肝機能障害の人も血中濃度が上昇しやすくなるので慎重に投与することとされています。
大量服用や長期服用において、末端神経障害や中枢神経障害を引き起こしやすいというケースもあり、手足の麻痺やしびれ、ピリピリ感、ろれつが回らないといった症状には、念のために注意が必要となります。
妊娠初期の内服により胎児への奇形出現という影響もありますので、妊婦への内服投与は通常は行いません。
フラジール服用中はアルコールは禁止です。これはチニダゾール配合の治療薬の服用時も同じです。
普段はお酒に強いタイプの人でも真っ赤になり、気分が悪く、嘔吐、腹痛、頭痛、動悸といった症状が強まりやすく、悪酔いするとされています。
暗赤色の尿になることがありますが、薬剤の影響なので心配はいらないとされています。