トリコモナス症のお薬
経口タイプ(飲み薬)の抗トリコモナス剤だけでなく、外用薬として膣錠もありますが、全身的治療には経口内服薬での治療が必要となります。
トリコモナス症はトリコモナス原虫という微生物による感染で、性行為によって簡単に感染する性感染症(STD)です。
つまり、片方に感染が認められた場合は、パートナーである男女ともに感染していると考えて間違いありません。
男性の場合は、尿道から前立腺への感染のため投薬治療は内服薬のみとなります。
女性の場合は、膣感染が主で痒みやオリモノなどの症状が目立つため膣錠が処方されることも多いようですが、膣錠の場合は局所的な治療となります。
外陰部や膣は治癒していたとしても、尿路感染して排尿痛などがある場合など膣以外の他の部位への感染が及んでいた場合は、治療効果が無いということになります。
女性の場合も外用だけでなく内服薬を併用した投薬治療が大切になってきます。
トリコモナス原虫は症状がでていなくても、長期間の潜伏しているケースが多々あります。
デリケートゾーンの不調を感じて婦人科を受診して、膣内検査では性感染症は無いとされた後で、膀胱炎を疑い内科受診して尿検査などで膀胱内にトリコモナス感染が発見されたというケースもあります。
つまり、以前にトリコモナスに感染していて膣錠で治療をし、トリコモナス症が治癒したと本人は思っていたわけですが、実は尿道へも感染していてトリコモナス原虫は膀胱内に潜んでいたのです。
症状が出ないままに年月を重ねて、再び膀胱内に炎症をおこし、トリコモナスが活動を再開したということなのでしょう。
膣剤だけでなく、内服治療をしていれば再発は防止できたのかもしれませんね。
抗トリコモナス薬剤、抗原虫薬の有効成分は、必要量を朝夕2回で7?10日の服用が必要です。
- 「メトロニダゾール」は、500mg/日 10日間服用
- 「チニダゾール」は、400mg/日 7日間服用
メトロニダゾールの内服治療によって、85〜90%は治癒するとされています。
通常では、メトロニダゾールを用いる場合が多いのですが、症状が悪化している女性はチニダゾールの内服をするケースもあります。
メトロニダゾールには内服薬と膣内に入れる錠剤の2種類があり、内服に外用の膣錠を併用して治療するケースもあります。
治療の際は、女性の場合で症状に応じても初回は膣洗浄を行うこともあります。
医師の指示通りに、キチンと投薬治療を続ければ通常2週間でトリコモナス症は治癒します。
治療後にトリコモナス原虫の消失を確認することが、再発させないためのポイントになります。
女性の場合は、わずかに残存した膣内トリコモナス原虫が月経中に増殖する可能性があるので、次回の月経後にも再検査で焼失を確認する必要があります。
ピンポン感染を防ぐためにも、同時期にパートナーとともに治療してトリコモナス症を完治させることが重要です。
抗トリコモナス剤は、日本では医師の処方が必要な薬剤です。
検査等での消失確認の必要もありますので、婦人科、泌尿器科、性病科への受診をおすすめします。